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  3. 猫の体毛の役割ってなに?肉食の猫の歯や消化器の特徴は?【被毛・歯・消化器編】

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猫っていつも「毛づくろい」をしてますよね。

とても丁寧に念入りに。

いつも毛づくろいをしているため、「猫はきれい好き」という印象があります。

猫は毎日、体の気になる部分のよごれをなめて落とします。

猫が時間をかけて念入りに毛づくろいをするのは、体毛や体を清潔に保つだけではありません。

今回は、猫の体毛の役割りについて学んでみましょう。

また、肉食の猫の歯や消化器の特徴についてもまとめました。

短い被毛の猫と鋭い歯を見せる猫

猫の体は皮膚と毛で守られている

猫の体の表面は皮膚で包まれていて、病原体などが体に入るのを防いでいます。

体は密生した毛におおわれ、皮膚と毛は臓器を守る役割があります。

※毛のない品種の猫もいます

猫の体毛は「被毛」と「触毛」の2種類

保温効果にすぐれた被毛

猫の体をおおう被毛(ひもう)は、一つの毛穴から複数本生えています。

上毛(うわげ)と下毛(しもげ)があり、上毛は1本の長くてかたい毛、下毛は複数本の短くてやわらかい毛からなります。

上毛は「オーバーコート」、下毛は「アンダーコート」とも呼ばれます。

寒冷地方原産の猫は、この上毛と下毛の二重構造(ダブルコート)になっています。

※個体差あり

被毛の密度は部位により異なりますが、腹部は1平方センチメートルあたり約200本の密度があります。

寒いときは被毛を逆立てて、被毛の間の空気量を増やし、温度を保つことができます。

毛づくろいで体温を下げる

寒いときは被毛で保温をしますが、暑いときはどうやって体温調節をしているのでしょう?

猫は汗腺が少ないため、ほとんど汗をかきません。

肉球などの限られた部分にのみ汗をかきます。

猫は体温を下げるために、毛づくろいをしているといわれています。

被毛についた唾液が蒸発する際に、気化熱が奪われ体温を下げているのではと考えられています。

被毛の生え替わりは春と秋

猫は年に2回、換毛期があります。

通常、春先の3月頃に「夏毛」、寒さが厳しくなる11月頃に「冬毛」に生え替わります。

夏毛は密度が低い被毛になり、冬毛はふわふわの被毛になります。

春と秋の換毛期は、特に丁寧にブラッシングを行いましょう。

触毛は距離や危険を感知するセンサー

猫の「顔」や「足先」には触毛(しょくもう)が生えており、毛根の周辺に神経が多く集まっている感覚器です。

周囲との距離感をつかんだり、空気の振動で対象の動きや危険を感知します。

触毛は、直接神経につながっているためとても敏感です。

猫が毛づくろいをするのは、触毛のセンサーを鋭敏に保つためでもあるようです。

猫のヒゲはセンサーであり大事な感覚器であるため、切ってはいけません。

猫の歯は肉食として進化した歯

猫の歯の特徴

猫は狩りをして暮らしてきた肉食動物です。

猫の歯は捕まえた獲物をしとめ、肉を切り裂くための構造に進化しました。

切歯(せっし)、犬歯(けんし)、臼歯(きゅうし)の3種類があり、人間(人間も同様の3種類)とは歯の使い方が多少異なります。

「切歯」と「犬歯」は、食べ物をかみ切るための歯です。

肉食動物の猫の犬歯は、獲物の体に食い込ませるため大きく発達しています。

臼歯は人間の場合、食べ物をすりつぶすための歯ですが、猫の臼歯は小さくとがっていて、肉を切り裂くことができます。

生後3~6ヵ月で永久歯に

猫の乳歯は26本、永久歯は30本あります。

生後2~3週頃に乳歯が生えはじめ、生後8週頃までに乳歯が生えそろいます。

生後3~6ヵ月頃に永久歯に生え替わります。

人間の歯が乳歯が抜けた後に永久歯が生えてくるのに対し、猫の歯は、乳歯を押し出すように永久歯が生えてきます。

そのため、乳歯と新しく生えてきた永久歯を、生え替わりの時期に同時に見ることができます。

猫の腸の長さは犬より短い

猫と犬では、腸の長さが違います。

  • 肉食の「猫」…肉・魚を食べる
  • 雑食の「犬」…肉・魚・植物を食べる

猫の小腸の長さは約1.7m、犬の小腸の長さは約4mで、猫の小腸の長さは犬の半分以下しかありません。

食べ物のほとんどを消化・吸収する小腸の長さは、食べる物によって決まります。

肉は植物よりも消化しやすく、消化にかかる時間が短くてすむため、肉食動物の小腸は草食動物の小腸より短くなっています。

また、肉食動物の盲腸は、草食動物の盲腸に比べて発達していません。

※盲腸は植物の消化を助ける消化器

まとめ

猫の「体毛」や「歯」・「消化器」は、猫が狩りをしてきた中で適応し進化してきました。

体毛には様々な役割があり、大切な内臓を守ったり、被毛で体温を保ったりします。

猫が毛づくろいをするのは、体を清潔に保つだけでなく、周囲との距離感をつかみ危険を感知する触毛を、鋭敏に保つためでもあります。

また、毛づくろいには、体温を下げる役割があると考えられています。

歯や消火器は、雑食の犬や人間とは使い方や長さが異なっています。

猫の体は、肉を食べるのに適した構造になっているのです。