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「猫は、動物だから人間より嗅覚(きゅうかく)がよさそう」
「よくクンクンしてるし」
「聴覚(ちょうかく)も人間よりよさそう」
「よく耳が動いてるし」
こんな感じで、なんとなく猫の五感を考えていませんか?
猫と一緒に暮らすうえで、人間が当たり前にしていることでも、猫にとっては不快なことがたくさんあります。
猫が好きなのになぜか嫌われる…という方は、無意識に猫が嫌がることをしているかもしれません。
大きな音を出したり、大声で話したり、大きなくしゃみをしたり、ニオイがきつい香水をつけたり…。
今回は、猫の五感についてまとめました。
猫のすぐれた感覚や人間との違いを、一緒に学んでいきましょう。
五感とは?
- 視覚(しかく)…見る
- 嗅覚(きゅうかく)…嗅ぐ
- 聴覚(ちょうかく)…聴く
- 味覚(みかく)…味わう
- 触覚(しょっかく)…皮膚で感じる
の、5つの感覚のこと。
猫の五感はハンターとして生き抜くために発達
猫は、森やヤブの中で狩りをしていました。
狩りの範囲内で動くものに敏感に反応できなければ、獲物を捕らえることができません。
暗闇で狩りをしていた猫は、特にすぐれた「聴覚」と「嗅覚」をもっています。
猫の五感は、狩りを成功させるために発達した感覚といえます。
猫の五感の中で最もすぐれた聴覚
猫は人間の5倍の音が聞こえ、陸上動物の中でもすぐれた「聴覚」の持ち主です。
高音波の音や、人間の耳には聞こえない超音波、低音波の音も感知できるため、遠く離れた場所の音やわずかな物音に反応します。
耳の神経が多く、耳介(じかい)の筋肉や、耳の奥にある三半規管などの平衡感覚器も発達しています。
※耳介…動物の耳のうち外に張り出ている部分のこと
猫にとって人間の大きな声や物音は、恐怖になるのでやめましょう。
情報を得るための嗅覚
猫は人間の2倍の嗅細胞をもっており、人間の数万倍以上の「嗅覚」があります。
そのためニオイにとても敏感です。
人間にとっていいニオイでも、猫にとっては不快なニオイがあります。
香水や柑橘系は苦手で、タバコのニオイも嫌います。
猫は、飼い主や食べ物をニオイで判断します。
さらに、猫の性別を判断でき、人間の性別も判断できます。
鼻腔周辺には、人には感知できないフェロモンを嗅ぎ分ける器官があります。
鋤鼻器(じょびき)またはヤコブソン器官といい、発情期のメスやオスのスプレーのフェロモンを感知します。
新しいものや今まで知らないものは、まずニオイを嗅ぐのが猫の習性です。
ニオイを嗅ぐことで、何者なのか、敵なのか味方なのかを確認します。
猫の鼻挨拶は、お互いの鼻を嗅いで情報を収集しているのです。
おしりのニオイを嗅ぐのも同じ理由です。
また、「フレーメン反応」とは、知らないニオイを分析している様子のことです。
猫はニオイを嗅いで、くさいから変な顔をしているわけではないようです。
暗闇でも獲物を見ることができる視覚
暗闇や朝夕の薄暗い時間に狩りをしていた猫の視覚は、暗い中でものをとらえる力にすぐれています。
猫の視力は人間の約10分の1といわれますが、視野が広く、人間がものを見るのに必要な光の量の6分の1でも対象の動きをとらえることができます。
猫は瞳孔を調節して目に入る光の量を調節します。
明るい場所では細長く調節します。
暗い場所では丸く調節することにより、少しの光でも対象をとらえることができます。
また、動体視力がすぐれているため、動くものに素早く反応します。
猫は光の三原色(赤・緑・青)のうち、緑と青は認識できますが、赤は認識できないといわれています。
苦味や酸味に敏感な味覚
人間が苦味(にがみ)、酸味(さんみ)、塩味(えんみ/しおあじ)、甘味(かんみ/あまみ)、うま味を感じるのに対して、猫は苦味、酸味、塩味を感じることができます。
猫の舌の味覚を感じる部分には諸説ありますが、
- 苦味:舌の奥で感じる
- 酸味:舌中央の両側部分で感じる
- 塩味:舌先で感じる
といわれています。
苦味と酸味には敏感に反応しますが、「甘味」はほとんど感じないようです。
猫の触毛(しょくもう)はセンサーの役割
猫は気になるものを調べるとき、ヒゲ(触毛)を対象に向けます。
周囲との距離感をつかんだり、ほんの少しの空気の振動で対象の動きや危険を感知します。
狭い場所を通り抜けられるかどうかも、センサーのヒゲを使って判断します。
約35本ある猫のヒゲは、人間の指のように敏感で、感情を表す器官でもあります。
- 緊張・興奮したとき…ヒゲは前方に向かう
- リラックスしているとき…ヒゲは下向きでカーブはゆるやか
- 恐怖を感じているとき…ヒゲは後ろ向きになる
- うれしいとき…ヒゲはやや上向きでピンと立てている
このように、猫の機嫌をヒゲの向きで知ることもできます。
猫のヒゲは感覚器官ですので、切ってはいけません。
さいごに
猫の五感は、ハンターとして狩りを成功させるために発達しました。
すぐれた感覚をもち、人間の五感とは違います。
猫の五感を理解し、猫が「不快なこと・嫌がることをしない」を意識して、人間と猫が快適に暮らせるようにしたいですね。