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  3. 「猫の五感と人間の五感は違う」って知ってますか?どれくらい違う?基礎知識を学ぼう【五感編】

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「猫は、動物だから人間より嗅覚(きゅうかく)がよさそう」

「よくクンクンしてるし」

「聴覚(ちょうかく)も人間よりよさそう」

「よく耳が動いてるし」

こんな感じで、なんとなく猫の五感を考えていませんか?

猫と一緒に暮らすうえで、人間が当たり前にしていることでも、猫にとっては不快なことがたくさんあります。

猫が好きなのになぜか嫌われる…という方は、無意識に猫が嫌がることをしているかもしれません。

大きな音を出したり、大声で話したり、大きなくしゃみをしたり、ニオイがきつい香水をつけたり…。

今回は、猫の五感についてまとめました。

猫のすぐれた感覚や人間との違いを、一緒に学んでいきましょう。

耳と鼻と目とヒゲがきれいに写っている猫

五感とは?

  • 視覚(しかく)…見る
  • 嗅覚(きゅうかく)…嗅ぐ
  • 聴覚(ちょうかく)…聴く
  • 味覚(みかく)…味わう
  • 触覚(しょっかく)…皮膚で感じる

の、5つの感覚のこと。

猫の五感はハンターとして生き抜くために発達

猫は、森やヤブの中で狩りをしていました。

狩りの範囲内で動くものに敏感に反応できなければ、獲物を捕らえることができません。

暗闇で狩りをしていた猫は、特にすぐれた「聴覚」と「嗅覚」をもっています。

猫の五感は、狩りを成功させるために発達した感覚といえます。

猫の五感の中で最もすぐれた聴覚

猫は人間の5倍の音が聞こえ、陸上動物の中でもすぐれた「聴覚」の持ち主です。

高音波の音や、人間の耳には聞こえない超音波、低音波の音も感知できるため、遠く離れた場所の音やわずかな物音に反応します。

耳の神経が多く、耳介(じかい)の筋肉や、耳の奥にある三半規管などの平衡感覚器も発達しています。

※耳介…動物の耳のうち外に張り出ている部分のこと

猫にとって人間の大きな声や物音は、恐怖になるのでやめましょう。

情報を得るための嗅覚

猫は人間の2倍の嗅細胞をもっており、人間の数万倍以上の「嗅覚」があります。

そのためニオイにとても敏感です。

人間にとっていいニオイでも、猫にとっては不快なニオイがあります。

香水や柑橘系は苦手で、タバコのニオイも嫌います。

猫は、飼い主や食べ物をニオイで判断します。

さらに、猫の性別を判断でき、人間の性別も判断できます。

鼻腔周辺には、人には感知できないフェロモンを嗅ぎ分ける器官があります。

鋤鼻器(じょびき)またはヤコブソン器官といい、発情期のメスやオスのスプレーのフェロモンを感知します。

新しいものや今まで知らないものは、まずニオイを嗅ぐのが猫の習性です。

ニオイを嗅ぐことで、何者なのか、敵なのか味方なのかを確認します。

猫の鼻挨拶は、お互いの鼻を嗅いで情報を収集しているのです。

おしりのニオイを嗅ぐのも同じ理由です。

また、「フレーメン反応」とは、知らないニオイを分析している様子のことです。

猫はニオイを嗅いで、くさいから変な顔をしているわけではないようです。

暗闇でも獲物を見ることができる視覚

暗闇や朝夕の薄暗い時間に狩りをしていた猫の視覚は、暗い中でものをとらえる力にすぐれています。

猫の視力は人間の約10分の1といわれますが、視野が広く、人間がものを見るのに必要な光の量の6分の1でも対象の動きをとらえることができます。

猫は瞳孔を調節して目に入る光の量を調節します。

明るい場所では細長く調節します。

暗い場所では丸く調節することにより、少しの光でも対象をとらえることができます。

また、動体視力がすぐれているため、動くものに素早く反応します。

猫は光の三原色(赤・緑・青)のうち、緑と青は認識できますが、赤は認識できないといわれています。

苦味や酸味に敏感な味覚

人間が苦味(にがみ)、酸味(さんみ)、塩味(えんみ/しおあじ)、甘味(かんみ/あまみ)、うま味を感じるのに対して、猫は苦味、酸味、塩味を感じることができます。

猫の舌の味覚を感じる部分には諸説ありますが、

  • 苦味:舌の奥で感じる
  • 酸味:舌中央の両側部分で感じる
  • 塩味:舌先で感じる

といわれています。

苦味と酸味には敏感に反応しますが、「甘味」はほとんど感じないようです。

猫の触毛(しょくもう)はセンサーの役割

猫は気になるものを調べるとき、ヒゲ(触毛)を対象に向けます。

周囲との距離感をつかんだり、ほんの少しの空気の振動で対象の動きや危険を感知します。

狭い場所を通り抜けられるかどうかも、センサーのヒゲを使って判断します。

約35本ある猫のヒゲは、人間の指のように敏感で、感情を表す器官でもあります。

  • 緊張・興奮したとき…ヒゲは前方に向かう
  • リラックスしているとき…ヒゲは下向きでカーブはゆるやか
  • 恐怖を感じているとき…ヒゲは後ろ向きになる
  • うれしいとき…ヒゲはやや上向きでピンと立てている

このように、猫の機嫌をヒゲの向きで知ることもできます。

猫のヒゲは感覚器官ですので、切ってはいけません。

さいごに

猫の五感は、ハンターとして狩りを成功させるために発達しました。

すぐれた感覚をもち、人間の五感とは違います。

猫の五感を理解し、猫が「不快なこと・嫌がることをしない」を意識して、人間と猫が快適に暮らせるようにしたいですね。