1. ホーム
  2. 保護猫
  3. 猫のルーツはどこ?いつから人と暮らしてる?基礎知識を学ぼう【ルーツ・歴史編】

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

猫は昔、砂漠に住んでたって聞いたことはあるけど、どこから来たの?

「古代エジプトの壁画に描いてあるのを、歴史の授業で見た。」

…など、なんとなく知ってるけど、調べたことはない、という方は多いのではないでしょうか。

基本的な知識を学ぶことは、猫との日々の生活をよりよくしてくれます。

今回は、猫のルーツや歴史など、猫が家族の一員として人と暮らすようになるまでの経緯をまとめました。

岩のそばに横たわって昼寝をするヤマネコ

猫のルーツはミアキス

猫の祖先は「ミアキス」という肉食動物です。

約5,000万年前に生息していた哺乳類で、体長約20cm~30cmのイタチに似た姿をしていました。

森の中で暮らし、木の上に住んでいたと考えられています。

犬の祖先も同じミアキスで、約3,000万~4,000万年前にミアキスからネコ科動物の祖先と、イヌ科動物の祖先に枝分かれしました。

ネコの祖先は森に残り、イヌの祖先は草原へと進出したのです。

その後、ネコ科の祖先は年月をかけて、8つの系統に分かれて進化していきます。

約640万年前にヒョウ系統(ヒョウ、ライオンなど)に分岐し、約340万年前にイエネコ系統(ヨーロッパヤマネコ、リビアヤマネコなど)に分岐します。

現在の猫はイエネコ

イエネコ系統は、ネコ科動物の祖先から一番最後に分岐しました。

「イエネコ」の直接の祖先とされる「リビアヤマネコ」は、現在もアフリカ北部からアジア南西部の砂漠地帯に生息する、野生のヤマネコです。

ヨーロッパヤマネコのグループに属するリビアヤマネコは、人の集落の近くで暮らし、繁殖を繰り返しながらイエネコへと進化したと考えられています。

リビアヤマネコは、人になつきやすい性質の個体が増加し、ネズミや毒ヘビを退治することで自然に人と関わりながら暮らしていたようです。

猫と人の歴史はエジプト周辺から

2004年、地中海のキプロス島にある墓から、人骨と若いヤマネコの骨が発見されました。

この発見により、紀元前7,500年頃には、猫は人と暮らしていたと推測されています。

人に有益な猫のネズミ退治能力

メソポタミア付近で農耕が始まると、穀物を狙うネズミが増えていきました。

猫はネズミを退治できるため、有益な動物として人間社会に受け入れられ、人と暮らすようになります。

紀元前2,000年~1,500年頃のエジプトでは、猫は神格化され大切にされました。

古代エジプトの壁画には、猫と人との暮らしが描かれています。

貿易や布教活動とともに世界中へ

品種改良により家畜化された犬などとは違い、猫は自ら人に近づき、人間社会に受け入れられるようになったといわれます。

古代エジプトで、猫の持ち出しは禁止されていましたが、商人たちがネズミ対策としてこっそり連れ出したため、貿易とともに猫は世界中へと生息地を広げました。

1500年代頃、イエズス会の修道士が新大陸に猫を連れて入植。

日本では、500年代頃、仏教経典のネズミ対策として、中国から船に乗って猫が来日。

猫は奈良時代に定着したと考えられていましたが、近年壱岐島(いきのしま)で、弥生時代のイエネコの骨が見つかったため、仏教伝来よりも前にイエネコは日本にいたことがわかっています。

平安時代には、貴族は猫をペットとして紐につないで大切に飼っていたようです。

中世ヨーロッパでの迫害時代

中世ヨーロッパでは、悪魔的な存在として多くの猫が殺されました。

キリスト教が広がったヨーロッパで、多神教のシンボルであった猫は、悪魔と考えられ迫害されたのです。

15世紀に始まった魔女狩りでは、黒猫が魔女の使いと見なされ犠牲になりました。

伝染病で見直されたネズミ退治能力

14世紀~18世紀にかけてペストなどの伝染病が蔓延し、中央アジアからヨーロッパにドブネズミが大量に侵入しました。

当時、猫が少なくなっていたヨーロッパでは、ネズミが大繁殖していきます。

ネズミは伝染病の細菌を媒介する不潔な動物と見なされ、それを退治できるキレイ好きな猫は、有能なペットとして見直されるようになりました。

ペット=コンパニオンアニマル(伴侶動物)から「家族」へ

ここ数年、日本での猫の飼育頭数は犬の飼育頭数を上回り、猫も犬も人気の高いペットです。

飼育環境では、集合住宅や核家族の増加に伴い、室内飼育が増えました。

人と暮らすペットは、コンパニオンアニマル(伴侶動物)であり、生涯人と一緒に室内で暮らすことで、ペットよりも強い絆でつながった「家族」へと変化しています。

まとめ

紀元前7,500年頃から猫は人と共に暮らし始め、ネズミ退治などに貢献しながら、世界へと生息地を拡大しました。

猫は「ミアキス」から分岐を経て「イエネコ」に進化し、長い年月をかけてペットから「家族」へ変化したのです。

人に寄り添って暮らしてきた猫の歴史やルーツを学ぶことは、猫を理解すること、猫との生活をよりよくすることに役立ちますよ。