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猫がイスや柱、人の足に体をこすりつけているのをよく見かけます。
これはマーキングと呼ばれ、自分のニオイを物や人にこすりつける行為です。
「猫はなぜマーキングをするのでしょう?」
猫の爪とぎには、爪をとぐ以外の目的があるってご存じですか?
今回は、猫のなわばり意識、猫が爪とぎをする理由、テリトリーについてまとめました。
マーキングの方法
猫は、家具や飼い主さんに自分のニオイをこすりつけてマーキングをします。
臭腺から自分のニオイ成分を出し、自分のなわばりにニオイをつけていきます。
臭腺がある箇所
マーキングの際に顔をこすりつけるのは、臭腺が猫の顔の周辺にあるからです。
臭腺は、頬、額、足の裏、肛門、しっぽの根元にあります。
猫のなわばり意識が強いのはなぜ?
猫は狩猟時代、単独で狩りをして生きてきました。
小さな獲物を何度も捕らえて狩りをするためには、広い範囲を探索する必要あります。
同じ地域内に猫が複数で狩りをしている場合、獲物を奪い合うことになり争いが起こってしまいます。
そのため、猫のなわばり意識とマーキングが発達しました。
なわばり意識とマーキングは、猫の社会生活において重要な役割をはたしています。
マーキング=なわばりの主張
猫はパトロールをしながら自分のニオイを必要な箇所にマーキングし、自分のなわばりを主張します。
マーキングの目的は…
- よそ者が入らないようにするため
- 自分の狩りの場所を確保するため
- 他の猫との不要な争いを避けるため
飼い主へのマーキングは安心
飼い主さんの足に猫が体をこすりつけるのもマーキングであり、自分のニオイをつけることによって自分のものだと主張し、安心しています。
マーキングをすることで猫は安心するため、洗剤などで拭きとることはしない方がよいでしょう。
爪とぎはマーキングとアピール
猫にとって「爪」は狩りをする上で必要不可欠な武器であり、常にといでおく必要がありました。
爪をとぐのは爪を鋭くするためだけでなく、マーキングの意味もあります。
足の裏にある臭腺からのニオイと爪跡を、爪をといだ場所につけてマーキングします。
また、より高い位置で爪をとぐことにより、大きい猫がいるとアピールしているといわれています。
猫が爪とぎをする理由
上で述べたように…
- 爪をとぐ、手入れをする
- マーキングをする
- 大きい猫がいるアピール
そのほか…
- ストレス発散
- 気分転換
- 甘えている など
猫にとって爪とぎは、爪をとぐ以外の理由があり、やめさせられない習性の一つです。
目立つ場所で爪とぎ(マーキング)をすることは、パフォーマンスの意味もあります。
一度爪をといだ場所・目立つ場所に爪とぎを設置して、猫が自由に爪とぎができるようにしましょう。
また、トイレの後に爪をとぐことが多いため、トイレの近くに爪とぎを置くのがおすすめです。
オスのなわばり意識はメスより強い
一般的に、オスの方がメスよりなわばり意識が強い傾向にあります。
去勢していないオスは、なわばり意識がとても強く、同居している猫同士で争うこともよくあります。
スプレー行為はマーキングの一種
繁殖期のオスが、強いニオイのオシッコ(少量)をすることがあります。
垂直面におしりを上げて、しっぽを震わせてスプレーをします。
発情期のメスもスプレー行為をすることがあります。
壁などにするため、ペットシートを設置して汚れるのを防ぎましょう。
なわばり(テリトリー)は3つのエリアに分かれる
<コアエリア>
猫は1日の4分の3を、コアエリアで過ごします。
コアエリアは、家の中で猫がもっとも安心できる場所です。
ほかの同居猫とは共有しません。
<ホームテリトリー>
食事場や水飲み場、睡眠の場所など、生活のためのエリアです。
ほかの動物や敵とは共有しないなわばりであり、静かな空間が猫にとって居心地のよいホームテリトリーになります。
同居している猫同士でおしりのニオイをかぐのは、敵か味方か、テリトリーを侵してないかなどの情報を確認しています。
猫が窓辺で外を見ているのは、外に出たいからではなく、敵が入ってこないか見はっているためです。
遠くにいる鳥の声に耳をすませたり、鳥の姿を監視したりします。
<ハンティングテリトリー※外飼いの猫の場合>
家から半径約100m~500mの食料を得るためのエリアです。
他の猫と共有し、情報交換も行います。
猫は新しい場所が苦手
猫はなわばり意識が強いため、自分のニオイがついていない場所が苦手です。
新しい場所では、ほかの動物や敵が居るのではないか、危険な場所ではないかと不安になります。
引っ越しなどで自分のなわばり以外に移動する場合、猫はストレスを強く感じます。
新しい環境には、今まで使っていたタオルやおもちゃ、食器など、自分のニオイがついた物を置いてストレスをやわらげましょう。
さいごに
なわばり意識と爪とぎは、猫の社会生活で重要な要素です。
猫は、なわばりをマーキングして主張することで、安全な場所(狩猟時代は狩り場)を確保し、他の猫との不要な争いを避けています。
爪とぎを目立つ場所に置いて、猫に自由に爪をとがせることは、マーキングだけでなくストレス発散など様々な役割をはたします。
猫が体を飼い主さんにこすりつけて、自分のものだと主張・安心してくれることは、飼い主さんにとってうれしいことですよね。