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  3. 猫のなわばり意識って?爪とぎは爪をとぐだけじゃない!基礎知識を学ぼう【なわばり・爪とぎ編】

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猫がイスや柱、人の足に体をこすりつけているのをよく見かけます。

これはマーキングと呼ばれ、自分のニオイを物や人にこすりつける行為です。

「猫はなぜマーキングをするのでしょう?」

猫の爪とぎには、爪をとぐ以外の目的があるってご存じですか?

今回は、猫のなわばり意識、猫が爪とぎをする理由、テリトリーについてまとめました。

キャットタワーで爪とぎをしている黒白猫

マーキングの方法

猫は、家具や飼い主さんに自分のニオイをこすりつけてマーキングをします。

臭腺から自分のニオイ成分を出し、自分のなわばりにニオイをつけていきます。

臭腺がある箇所

マーキングの際に顔をこすりつけるのは、臭腺が猫の顔の周辺にあるからです。

臭腺は、頬、額、足の裏、肛門、しっぽの根元にあります。

猫のなわばり意識が強いのはなぜ?

猫は狩猟時代、単独で狩りをして生きてきました。

小さな獲物を何度も捕らえて狩りをするためには、広い範囲を探索する必要あります。

同じ地域内に猫が複数で狩りをしている場合、獲物を奪い合うことになり争いが起こってしまいます。

そのため、猫のなわばり意識とマーキングが発達しました。

なわばり意識とマーキングは、猫の社会生活において重要な役割をはたしています。

マーキング=なわばりの主張

猫はパトロールをしながら自分のニオイを必要な箇所にマーキングし、自分のなわばりを主張します。

マーキングの目的は…

  • よそ者が入らないようにするため
  • 自分の狩りの場所を確保するため
  • 他の猫との不要な争いを避けるため

飼い主へのマーキングは安心

飼い主さんの足に猫が体をこすりつけるのもマーキングであり、自分のニオイをつけることによって自分のものだと主張し、安心しています。

マーキングをすることで猫は安心するため、洗剤などで拭きとることはしない方がよいでしょう。

爪とぎはマーキングとアピール

猫にとって「爪」は狩りをする上で必要不可欠な武器であり、常にといでおく必要がありました。

爪をとぐのは爪を鋭くするためだけでなく、マーキングの意味もあります。

足の裏にある臭腺からのニオイと爪跡を、爪をといだ場所につけてマーキングします。

また、より高い位置で爪をとぐことにより、大きい猫がいるとアピールしているといわれています。

猫が爪とぎをする理由

上で述べたように…

  • 爪をとぐ、手入れをする
  • マーキングをする
  • 大きい猫がいるアピール

そのほか…

  • ストレス発散
  • 気分転換
  • 甘えている など

猫にとって爪とぎは、爪をとぐ以外の理由があり、やめさせられない習性の一つです。

目立つ場所で爪とぎ(マーキング)をすることは、パフォーマンスの意味もあります。

一度爪をといだ場所・目立つ場所に爪とぎを設置して、猫が自由に爪とぎができるようにしましょう。

また、トイレの後に爪をとぐことが多いため、トイレの近くに爪とぎを置くのがおすすめです。

オスのなわばり意識はメスより強い

一般的に、オスの方がメスよりなわばり意識が強い傾向にあります。

去勢していないオスは、なわばり意識がとても強く、同居している猫同士で争うこともよくあります。

スプレー行為はマーキングの一種

繁殖期のオスが、強いニオイのオシッコ(少量)をすることがあります。

垂直面におしりを上げて、しっぽを震わせてスプレーをします。

発情期のメスもスプレー行為をすることがあります。

壁などにするため、ペットシートを設置して汚れるのを防ぎましょう。

なわばり(テリトリー)は3つのエリアに分かれる

<コアエリア>

猫は1日の4分の3を、コアエリアで過ごします。

コアエリアは、家の中で猫がもっとも安心できる場所です。

ほかの同居猫とは共有しません。

<ホームテリトリー>

食事場や水飲み場、睡眠の場所など、生活のためのエリアです。

ほかの動物や敵とは共有しないなわばりであり、静かな空間が猫にとって居心地のよいホームテリトリーになります。

同居している猫同士でおしりのニオイをかぐのは、敵か味方か、テリトリーを侵してないかなどの情報を確認しています。

猫が窓辺で外を見ているのは、外に出たいからではなく、敵が入ってこないか見はっているためです。

遠くにいる鳥の声に耳をすませたり、鳥の姿を監視したりします。

<ハンティングテリトリー※外飼いの猫の場合>

家から半径約100m~500mの食料を得るためのエリアです。

他の猫と共有し、情報交換も行います。

猫は新しい場所が苦手

猫はなわばり意識が強いため、自分のニオイがついていない場所が苦手です。

新しい場所では、ほかの動物や敵が居るのではないか、危険な場所ではないかと不安になります。

引っ越しなどで自分のなわばり以外に移動する場合、猫はストレスを強く感じます。

新しい環境には、今まで使っていたタオルやおもちゃ、食器など、自分のニオイがついた物を置いてストレスをやわらげましょう。

さいごに

なわばり意識と爪とぎは、猫の社会生活で重要な要素です。

猫は、なわばりをマーキングして主張することで、安全な場所(狩猟時代は狩り場)を確保し、他の猫との不要な争いを避けています。

爪とぎを目立つ場所に置いて、猫に自由に爪をとがせることは、マーキングだけでなくストレス発散など様々な役割をはたします。

猫が体を飼い主さんにこすりつけて、自分のものだと主張・安心してくれることは、飼い主さんにとってうれしいことですよね。